年末以来幕末づいているので、新撰組モノを見てみました。
●壬生義士伝(2003)
〈人情派あらすじ〉
新撰組の考試を難なくパスした南部藩士・吉村貫一郎(中井貴一)は凄腕なのに他の隊士に嘲笑されるほどの吝嗇家。その理由のすべては故郷に残した家族を守るため。同隊の斉藤一(佐藤浩一)は彼を苦々しく思いつつ、一目を置く。やがて時勢は急転し、鳥羽伏見の戦いで幕軍は追いつめられ、吉村は郷里の家族を思いながら、壮絶な死を遂げる…。浅田次郎原作。
・これは原作を先に読まずに見た。なので、比べる楽しみがないのですが、単独で見ても良かったです。何が良かったかというと、
・まず、話の冒頭から、タイトル、キャストの名前が出るまでがすごくかっこいい。屋敷を上からずーっと撮り下がってきて(なんか専門的な言い方があるんだろうけど、知らないので)、武士達の打ち合いシーン、中井貴一のバックの濃い緑の山、新撰組の映える衣装、緊張感を高めるナイスBGM。あの、貴一さんの横顔に、中井貴一と入るクレジットの位置が良いです、細かいけど(笑)。壇上で斜に構える佐藤浩一がかっこいい〜。
・中井貴一も上手いなぁと改めて感心した。今まで、意識したことがなかったけど。どうも、私のイメージでは、いつまでも肩にオウムを乗せている印象があったのですが、今回それも払拭されました。ただ線が細いのがちょっと残念。
・そんなわけで物語の最初にミーハースイッチが入ってしまったので、役者にばかり目が行ってしまった。だけどキャスティングが良いので仕方があるまい。塩見近藤と堺沖田はいいですね〜。得体の知れない感が漂いまくり。この二人の間では土方さんはさぞ苦労しただろう。伊東もいい味出してるし、殺伐新撰組の中の「いい人」吉村がうまく際立ってます。それにしても喀血して笑う沖田総司。コワオカシイ。この方、大河では山南さんですよね。自分の役に切られるのかな?
・吉村サイドの話も良かったですよ、景色は美しいし、家族愛も暖かく描かれているし。しかし丸美屋さんとチビノリダーの登場によって、感動のスイッチを押し損なったようです。どうにも三宅裕司が出てくると、リアリティがそぎ落とされていって、だんだん可笑しくなって来てしまった。
・いったん話に乗れなくなると、あとは単に物語を追うだけになってしまう。家族に辛い思いをさせることを承知で脱藩し、新撰組に入隊する経緯、海よりも深い夫婦愛、親子の絆などウルウルポイントがいっぱいなのに。最初でワクワクしすぎた。反省。
・後半最大の見せ場、吉村が心情を吐露して、果てて行くシーン。まるで、歌舞伎のように泣かせる所です。もし、違うときに見て、ここに至るまでに気持ちが盛り上がっていれば、大いに泣けたであろう。しかし、今回図らずも(長いなー)と思ってしまいました。あれだけ家族に思い入れがあって、いわばそのために殉死する役柄だから、そりゃ語り出したら止まらないであろう。すごくわかるけど、三宅裕司のおにぎりでなんだかツボにはまってしまい、ええい、早くせい!と思ってしまいました。罪悪感。
・ミーハー心と仏心は両立しないのか。今度見るときは、正しい気持ちで見よう。
・話の感想としては、度を超した家族愛は、時には彼ら自身を苦しめることになるのではないかと思った。幸福な時は良いけれど、困窮の極みにあって互いに思いやり、かばいあい、遠慮しあい…の状態が続くとさらに苦しい局面に導くことになるかも。この話みたいに親の愛情が深すぎると、それを受ける子供も大変だなぁと思う。
・切ないお話でした。いやほんとに。原作も読みます。
●壬生義士伝(2003)
〈人情派あらすじ〉
新撰組の考試を難なくパスした南部藩士・吉村貫一郎(中井貴一)は凄腕なのに他の隊士に嘲笑されるほどの吝嗇家。その理由のすべては故郷に残した家族を守るため。同隊の斉藤一(佐藤浩一)は彼を苦々しく思いつつ、一目を置く。やがて時勢は急転し、鳥羽伏見の戦いで幕軍は追いつめられ、吉村は郷里の家族を思いながら、壮絶な死を遂げる…。浅田次郎原作。
・これは原作を先に読まずに見た。なので、比べる楽しみがないのですが、単独で見ても良かったです。何が良かったかというと、
・まず、話の冒頭から、タイトル、キャストの名前が出るまでがすごくかっこいい。屋敷を上からずーっと撮り下がってきて(なんか専門的な言い方があるんだろうけど、知らないので)、武士達の打ち合いシーン、中井貴一のバックの濃い緑の山、新撰組の映える衣装、緊張感を高めるナイスBGM。あの、貴一さんの横顔に、中井貴一と入るクレジットの位置が良いです、細かいけど(笑)。壇上で斜に構える佐藤浩一がかっこいい〜。
・中井貴一も上手いなぁと改めて感心した。今まで、意識したことがなかったけど。どうも、私のイメージでは、いつまでも肩にオウムを乗せている印象があったのですが、今回それも払拭されました。ただ線が細いのがちょっと残念。
・そんなわけで物語の最初にミーハースイッチが入ってしまったので、役者にばかり目が行ってしまった。だけどキャスティングが良いので仕方があるまい。塩見近藤と堺沖田はいいですね〜。得体の知れない感が漂いまくり。この二人の間では土方さんはさぞ苦労しただろう。伊東もいい味出してるし、殺伐新撰組の中の「いい人」吉村がうまく際立ってます。それにしても喀血して笑う沖田総司。コワオカシイ。この方、大河では山南さんですよね。自分の役に切られるのかな?
・吉村サイドの話も良かったですよ、景色は美しいし、家族愛も暖かく描かれているし。しかし丸美屋さんとチビノリダーの登場によって、感動のスイッチを押し損なったようです。どうにも三宅裕司が出てくると、リアリティがそぎ落とされていって、だんだん可笑しくなって来てしまった。
・いったん話に乗れなくなると、あとは単に物語を追うだけになってしまう。家族に辛い思いをさせることを承知で脱藩し、新撰組に入隊する経緯、海よりも深い夫婦愛、親子の絆などウルウルポイントがいっぱいなのに。最初でワクワクしすぎた。反省。
・後半最大の見せ場、吉村が心情を吐露して、果てて行くシーン。まるで、歌舞伎のように泣かせる所です。もし、違うときに見て、ここに至るまでに気持ちが盛り上がっていれば、大いに泣けたであろう。しかし、今回図らずも(長いなー)と思ってしまいました。あれだけ家族に思い入れがあって、いわばそのために殉死する役柄だから、そりゃ語り出したら止まらないであろう。すごくわかるけど、三宅裕司のおにぎりでなんだかツボにはまってしまい、ええい、早くせい!と思ってしまいました。罪悪感。
・ミーハー心と仏心は両立しないのか。今度見るときは、正しい気持ちで見よう。
・話の感想としては、度を超した家族愛は、時には彼ら自身を苦しめることになるのではないかと思った。幸福な時は良いけれど、困窮の極みにあって互いに思いやり、かばいあい、遠慮しあい…の状態が続くとさらに苦しい局面に導くことになるかも。この話みたいに親の愛情が深すぎると、それを受ける子供も大変だなぁと思う。
・切ないお話でした。いやほんとに。原作も読みます。
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