時計じかけのオレンジ
2006年1月22日 英・欧州もの
●時計じかけのオレンジ
A Clockwork Orange(1971)
〈ホラーショウなあらすじ〉
暴走する超暴力少年アレックスは、ついに殺人罪で投獄されるが改心の気配なし。出所と引き替えに自発的に精神的治療を受け、暴力性が制御されたかに見えたが……。
・「機械じかけのオレンジ」だと勘違いしてて、一所懸命探しちゃったわ。店員さんに聞けばいいのに、つい意地になってしまったよ。そのうち「あれ?オレンジ仕掛け?だっけ」と混乱してきて、クマのようにウロウロしていたあやしい客。
・面白かった。
長かったけど飽きさせない。でもやっぱり長いけどね。
70年代の色彩も目に鮮やか、若者たちの無軌道ぶりもショッキングですが、どこかコミカル。舞台上の群舞を思わせるBGMや装束、流れるように物語が進んでいくので、あやしげな世界についつい引き込まれてしまう。まさにショウ。
・しかしこの状況、まったく今の世の中に似ているじゃないですか。
激しくも斬新な暴力シーンが目立ちますが、むしろ「何を刑罰の主眼に置くのか」、社会と逸脱者との関係についての素朴な疑問が浮かぶ。正しい刑罰って何だ?
・この俳優(マルコム・マクダウェル)は体張ってるねー。なんかの罰ゲームかというぐらい。
ゾクゾクする成りきりぶり。あんなに口の端が上がる人も珍しい。あーゆうイルカ・アヒル口の人は基本的に好きです。
目をこじ開けられるとこなんか、こっちも見開いちゃったよ。
彼はこの映画以来、目薬が手放せなくなったとか(from IMDb)。うう、ワカル。
最後のほう、食べさせて貰ってるシーンが憎たらしくも可愛かった。ヒナみたいで。
・造語もあそこまで多用されると、妙なリアリティが出てきますね。
私も未来の流行語を作ってみようかなぁ。で、どーするわけでもないが。
ユニフォーム(?)を来た青年達のロングショットは、複数の加藤茶に見えないこともない。
・暴力・崇拝・美・権力・個人・社会……心の内にあるあらゆる現象に目を向けさせる一方、でもやっぱり何かよくわからん?ていうシンプルな感想も若干あるわけですが。それもゲイジュツのなせる技?
A Clockwork Orange(1971)
〈ホラーショウなあらすじ〉
暴走する超暴力少年アレックスは、ついに殺人罪で投獄されるが改心の気配なし。出所と引き替えに自発的に精神的治療を受け、暴力性が制御されたかに見えたが……。
・「機械じかけのオレンジ」だと勘違いしてて、一所懸命探しちゃったわ。店員さんに聞けばいいのに、つい意地になってしまったよ。そのうち「あれ?オレンジ仕掛け?だっけ」と混乱してきて、クマのようにウロウロしていたあやしい客。
・面白かった。
長かったけど飽きさせない。でもやっぱり長いけどね。
70年代の色彩も目に鮮やか、若者たちの無軌道ぶりもショッキングですが、どこかコミカル。舞台上の群舞を思わせるBGMや装束、流れるように物語が進んでいくので、あやしげな世界についつい引き込まれてしまう。まさにショウ。
・しかしこの状況、まったく今の世の中に似ているじゃないですか。
激しくも斬新な暴力シーンが目立ちますが、むしろ「何を刑罰の主眼に置くのか」、社会と逸脱者との関係についての素朴な疑問が浮かぶ。正しい刑罰って何だ?
・この俳優(マルコム・マクダウェル)は体張ってるねー。なんかの罰ゲームかというぐらい。
ゾクゾクする成りきりぶり。あんなに口の端が上がる人も珍しい。あーゆうイルカ・アヒル口の人は基本的に好きです。
目をこじ開けられるとこなんか、こっちも見開いちゃったよ。
彼はこの映画以来、目薬が手放せなくなったとか(from IMDb)。うう、ワカル。
最後のほう、食べさせて貰ってるシーンが憎たらしくも可愛かった。ヒナみたいで。
・造語もあそこまで多用されると、妙なリアリティが出てきますね。
私も未来の流行語を作ってみようかなぁ。で、どーするわけでもないが。
ユニフォーム(?)を来た青年達のロングショットは、複数の加藤茶に見えないこともない。
・暴力・崇拝・美・権力・個人・社会……心の内にあるあらゆる現象に目を向けさせる一方、でもやっぱり何かよくわからん?ていうシンプルな感想も若干あるわけですが。それもゲイジュツのなせる技?
●薔薇の名前
The Name of The Roses(1986)
〈怪僧あらすじ〉
14世紀。イタリアの修道院で若い僧が変死、客僧ウィリアムが推理するが、犯人は見つからぬまま次々と殺人が起きる。そして修道院の秘密が明らかに…。
・これは以前見たことがあるのですが、その時はなんのことやらわからなかった。当時は中世ヨーロッパと自分の趣味がてんでリンクしなかったので、さっぱりでした。
・うって変わって現在、歴史物が好きなので興味深く見た。嗜好というのは変わっていくものですね。
おどろおどろしーい建物の内装、いかにも妖しげな修道士たち。趣としては『八つ墓村』あたりに通じるものが。誰もが思わせぶりで犯人ぽい。
しかもけっこうエグい描写もあり、暗い画面との相乗効果もあって気持ち悪さ抜群…。
・ショーン・コネリーは髪の毛がなくなればなくなるほど、かっこいいのはなぜだ!あんだけ濃い顔立ちだと、もはや毛は不要。渋いわ。修道僧姿が素敵。
私はドレープ(服のシワシワ)が大好きなのです。なので、あの出で立ちのコネリー氏にはうっとり。それで彼の弟子役、めちゃくちゃ若いクリスチャン・スレーターは純粋さを醸し出すためか、いつでも口が半開きなんですが。
・「名探偵、皆を集めて、さてと言い」がこのシチュエーションで繰り広げられるのが楽しい。全体的には割とオーソドックスな推理もの、しかしディテイルの懲りようが華麗。
なんせ中世のことなので門外漢の私は、えっそれが理由なの?といささか腑に落ちませんでしたが、知らない国の知らない時代、そういう秩序のもとではそんなことが禁忌だったのか…とこれまた想像が膨らんだのであります。
・クライマックスで本を抱きしめるショーン・コネリーが印象的。この役柄の深い背景を伺わせる。
一体いつ薔薇が出てくるんだろこんな寒々しいロケーションで、と思いながらいつの間にか忘れていたら、そういうことだったのか…。なるほどねぇ。
・しかし個性的なヘアスタイルだな修道士って。
The Name of The Roses(1986)
〈怪僧あらすじ〉
14世紀。イタリアの修道院で若い僧が変死、客僧ウィリアムが推理するが、犯人は見つからぬまま次々と殺人が起きる。そして修道院の秘密が明らかに…。
・これは以前見たことがあるのですが、その時はなんのことやらわからなかった。当時は中世ヨーロッパと自分の趣味がてんでリンクしなかったので、さっぱりでした。
・うって変わって現在、歴史物が好きなので興味深く見た。嗜好というのは変わっていくものですね。
おどろおどろしーい建物の内装、いかにも妖しげな修道士たち。趣としては『八つ墓村』あたりに通じるものが。誰もが思わせぶりで犯人ぽい。
しかもけっこうエグい描写もあり、暗い画面との相乗効果もあって気持ち悪さ抜群…。
・ショーン・コネリーは髪の毛がなくなればなくなるほど、かっこいいのはなぜだ!あんだけ濃い顔立ちだと、もはや毛は不要。渋いわ。修道僧姿が素敵。
私はドレープ(服のシワシワ)が大好きなのです。なので、あの出で立ちのコネリー氏にはうっとり。それで彼の弟子役、めちゃくちゃ若いクリスチャン・スレーターは純粋さを醸し出すためか、いつでも口が半開きなんですが。
・「名探偵、皆を集めて、さてと言い」がこのシチュエーションで繰り広げられるのが楽しい。全体的には割とオーソドックスな推理もの、しかしディテイルの懲りようが華麗。
なんせ中世のことなので門外漢の私は、えっそれが理由なの?といささか腑に落ちませんでしたが、知らない国の知らない時代、そういう秩序のもとではそんなことが禁忌だったのか…とこれまた想像が膨らんだのであります。
・クライマックスで本を抱きしめるショーン・コネリーが印象的。この役柄の深い背景を伺わせる。
一体いつ薔薇が出てくるんだろこんな寒々しいロケーションで、と思いながらいつの間にか忘れていたら、そういうことだったのか…。なるほどねぇ。
・しかし個性的なヘアスタイルだな修道士って。
マイライフ・アズ・ア・ドッグ
2004年5月3日 英・欧州もの
●マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ
My life as a dog(1985)
〈スプートニクなあらすじ〉
病気のお母さんになんとかして振り向いてもらいたいイングマル、だけどやることなすこと裏目に出てばかり。愛犬シッカンと別れて叔父さんの家に居候。そこでの出来事が少年の心を優しくいたわる。
・「ギルバート・グレイプ」と同じ監督。漂う諦観、『ぼくは〜よりマシ』理論で自分をなぐさめるイングマル。上を見たらきりがないけど、下を見てもきりがないんだよね。これはこども時代だけじゃなくて、生きてる間中、自分の気持ちと折り合いをつけるための普遍的な手段だよなあ…としみじみ。
・スウェーデンの景色も目に楽しく、日本のこどもたちとの違いも楽しかった。『もう寝なさい』とか言われたって、まだ外は明るいのが普通なんだなあ北欧。
・性についてのトピックをうまくまぎれこませてる。日本人が同じような手口を使うと成功しないような気がするなぁ、なんかじっとりした雰囲気になりそうで。別のアプローチじゃないと無理そうだ。
・イングマル少年はモテモテだなあ。パーティで少女達が彼を巡って喧嘩になったときの表情がいい。あれ、あんた俺のこと好きなんや、みたいな顔。
・ライカ犬…。
「ギルバート〜」もそうだったけど、脇役にもそれぞれの生活や苦悩がちゃんと、なにげなく盛り込まれてる。だけど、少年みたいな少女が最後にあっさりスカートをはいて登場したのには、あれっと思いましたが。もう乗り越えちゃったの?それとも、わざと少年らしく振る舞わくてもいい自分らしさを手に入れたのか。
・こどもって難しい。
・でもなんでそんなこと言うの。自分だってこどもだったくせにさ。自問自答。
My life as a dog(1985)
〈スプートニクなあらすじ〉
病気のお母さんになんとかして振り向いてもらいたいイングマル、だけどやることなすこと裏目に出てばかり。愛犬シッカンと別れて叔父さんの家に居候。そこでの出来事が少年の心を優しくいたわる。
・「ギルバート・グレイプ」と同じ監督。漂う諦観、『ぼくは〜よりマシ』理論で自分をなぐさめるイングマル。上を見たらきりがないけど、下を見てもきりがないんだよね。これはこども時代だけじゃなくて、生きてる間中、自分の気持ちと折り合いをつけるための普遍的な手段だよなあ…としみじみ。
・スウェーデンの景色も目に楽しく、日本のこどもたちとの違いも楽しかった。『もう寝なさい』とか言われたって、まだ外は明るいのが普通なんだなあ北欧。
・性についてのトピックをうまくまぎれこませてる。日本人が同じような手口を使うと成功しないような気がするなぁ、なんかじっとりした雰囲気になりそうで。別のアプローチじゃないと無理そうだ。
・イングマル少年はモテモテだなあ。パーティで少女達が彼を巡って喧嘩になったときの表情がいい。あれ、あんた俺のこと好きなんや、みたいな顔。
・ライカ犬…。
「ギルバート〜」もそうだったけど、脇役にもそれぞれの生活や苦悩がちゃんと、なにげなく盛り込まれてる。だけど、少年みたいな少女が最後にあっさりスカートをはいて登場したのには、あれっと思いましたが。もう乗り越えちゃったの?それとも、わざと少年らしく振る舞わくてもいい自分らしさを手に入れたのか。
・こどもって難しい。
・でもなんでそんなこと言うの。自分だってこどもだったくせにさ。自問自答。