12月はまずこれから。さい先が良い一本。

●ハウルの動く城(2004)

〈あらすじのドア〉
魔法と鋼鉄の国。呪いをかけられ老婆になったソフィーが向かったのは無邪気な魔法使いハウルのお城でした。

【多少ネタバレ気味です】

・インパクトがあった点を挙げてみます:

・城の足が速い!ものすごいシャキシャキ歩いている。イメージではもっとのったりした感じだったので、シャープな動きにびっくり。
でもあの城はいいですねー!宮崎さんの中では城が主人公なんだろうなぁ。

・キャラクターの目の大きさが通常より2割…いや3割ぐらい大きい。
のでキラキラ感がアップしてました。従来のシンプルな造形の方が好きなんだけどな…個人的には。なんでだろ、外国ものだからか昨今の流行を反映してか。おかげでハウルは今風にかっこよかったですが。
後半ソフィーが大粒の涙をこぼすところ、ちょっと大ちゃん(@いなかっぺ大将…)並ではなかったですか。涙の大きさに驚いた。

・声とキャラクターがぴったり。音楽も効果的。
予想通りハウルも良かったし、ゴーイングマイウェイのソフィーも雰囲気に合ってたし、どうしていつも久石さんの音楽には外れがないのか文句をつけたくなるほど文句なし。

・とまあ色々な点で楽しめましたが、何より見終わった後に気分がすっきりするところが良かったです。

・ソフィーの外見の変化が気持ちのバロメーターになってるのが面白かった。しかし彼女はいつハウルがそんなに好きになったのだ。一目惚れ?だよねぇ…。

・反戦風味ボーイミーツガール。
私のイメージでは、これまで宮崎アニメには確かに反権力的なメッセージが込められてきたけれど、こんなにストレートに「戦争、ダメ!」って感じではなかったような気がするのですが。それと同時にこんなに分かり易いラブストーリーも。そうでもないか?
メッセージのないファンタジーには意味がないので別にそれで違和感はないですが、えらく分かり易くなったなぁと思った。
ソフィーのまっすぐな気持ちも、ハウルの変貌ぶりもややこしくなくて分かり易い。はっきりと伝えることが大事ということでしょうか。共感。
思ったことははっきりと!当座の私の標語にしよう。

・大きな力を持てあました子どものままのハウルと、自分に正直なソフィー。くすぐられる組み合わせです。
映画館を見渡すと、冬ソナ世代と思われるご婦人方がけっこうおられた。帰りしな、ほぅ…なんてため息をついてた方々も。ピュアなラブを見分ける皆さんの嗅覚に脱帽。

・そんなにあっさり止められる戦争って一体何が原因だったのだろうとか、この国の仕組みはとか、結局カルシファーって何だとかおぼろげにもクエスチョンがわいてくるのですが、カブの正体ですべてが吹っ飛びました。ここが一番衝撃だったかも知れん。
まさかの基本的展開。これは童話ですからね〜、と釘を刺された気がしました。逆に現実に返ったような。
だからあれこれ憶測するのはやめ。野暮。
Happily lived ever after…なので、これですっきり良かった良かった。

・しかも私の場合、見終わって1時間後、2時間後…とじわじわと余韻が押し寄せてきて、今すごくハッピーな気分。前向きな気持ち。(弱ってたらしい)
いいタイミングで見られてヨカッタ!

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