冬の一人企画・名画鑑賞会。

●マイ・フェア・レディ
My Fair Lady(1964)

〈あらすじa little bit〉
ロンドン。下町の花売り娘のイライザは、音声学の権威・ヒギンズ教授の猛特訓を受け社交界を欺くほどのレディに大変身。しかしそれと同時に精神の成長も遂げた彼女に芽生えた気持ちとは…。

・見るたびに違うポイントに気づかされて長く楽しめる映画。何より素晴らしい楽曲。Lovelyなんてほんとにラブリーな曲だし、On the street you liveの甘い美しさと言ったらもーなんとも言えません。若い時はそんなにピンとこなかったんですけどねぇ、ああヘップバーン綺麗だなぐらいにしか。

・しかし今思うのはこの娯楽性の高さ。エンターテインメントの金太郎飴みたいで、どこを切ってもハリウッド。ハリウッドロール。美しいものは美しいし、楽しいものは楽しいという自信にみなぎっている頼もしさ。
私のイメージするハリウッドそのまま。

・ヘップバーンが歌っているのを初めて聞きましたが、思っていたほど悪くない。特にShow meとか、歌手の人がすごく上手くコピーしてるなと思うほど似てる。が、やっぱり本職の人に比べると声に伸びがないのは致し方ない。本場は厳しいね。

・この時代こういうドレスに皆憧れたんだろうねぇ。少女の夢だ、塗り絵のよう、うっとり。

・ヒギンズ教授は見るほどに味が出る。舞台のオリジナルキャストだそうで、イライザとどうにも年が離れすぎているので、カップルとして見るのは難しいのですが、彼が曲に乗せて独白するシーンはなかなか可愛らしかったりします。

・この前に作られた「ピグマリオン」も見たことがあるのですが、やはり天然色の華やかさには負ける…というか本当はそちらの方が原作に忠実なのだろうけど。

・無理にハッピーエンドにしてるような気もしますが、しかし三船敏郎似のヒギンズ教授に免じて許してやろう(えらそう)。『彼女の顔に馴染みすぎた…』っていう表情がね、しょーがないねぇあんた子どもだねって感じです。

・階級を隔てているのは言葉に過ぎない、という皮肉から生まれた物語をこんなにスィートに仕立て上げるとは、まさにアメリカの力業であり娯楽に対する愛情の表れのような気がしました。
ララララ〜♪(←"I could’ve danced all night")

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