●アニー・ホール
Annie Hall(1977)

〈気むずかし屋のあらすじ〉
女性には縁があれども長続きしないコメディアンのアルビー。魅力的な女性アニーと出会うが、互いの思惑に翻弄されて一喜一憂…。

・「ハンナとその姉妹」に続き、今のところウッディ・アレンとは相性が良いようです。これは面白い。恋する心理を細かくコミカルに描き出している、と書くと痛快コメディみたいで語弊があるのですが、アレン流のねちっこさと理屈で構成されている独自の目線がいい。この世界は嫌いじゃない。

・色々な演出的効果も手伝ってか、どうにも好感を持ちにくい主人公(=W.アレン)に徐々に同情的な気持ちに。なによりも、とにかくこの人は『自分を愛するあまり嫌悪して愛おしんでいる』ような面倒くささを醸し出してて、本当だったら勝手にすればアホってなもんですが、もーしょうがないなーあんたは…と思わせる。のは、ハの字眉毛のせいだけではあるまい。そしてやがては妙に納得してたりして。世話のかかるけったいなおじさん。

・結局一抹の寂しさを覚えるエンディングだけれども、腑に落ちる充足感があります。これがこの人の持ち味なのだと思いますが、こういう感覚は好きなので余韻を楽しみました。

・私にはわからない細かい風刺やギャグ、カメオ出演などがあって、理解できたらもっと面白かったかなーとちょっと残念。
ただクリストファー・ウォーケンは若くて(なぜか)色が薄く、ハエ男さんは香取慎吾似?

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