●チルソクの夏(2003)

〈あらすじは港町〉
1977年。親善陸上競技会で出会った韓国人青年と恋に落ちた郁子。一年後の再会を約束し、文通で交流を深めていく。郁子と友人達の素朴でピュアな青春物語。

・また。またノスタルジーものを手に取ってしまった。避けては通れぬのかセピア色の道。

・韓国と日本の問題を絡めてはいますが、非常にオーソドックスな作りなので展開が分かり易く、登場人物も純真な少年少女ばかりなので心静かに鑑賞することができます。24で荒んだ心を恥じるほどです。陸上がモチーフなせいか、青春の爽やかな(ほんとは臭い)汗と思春期独特の油分がリアルに伝わってきました。監督のノスタルジーはその辺りなんでしょうかね。

・安君(相手の青年)の熱意にはほだされるねー。boy meets girlの世界だと言葉は後からついてくる。なんだか起伏のない韓流ドラマみたい。つまり突然事故に会ったり兄妹だったりする突飛な設定を取り除いて、ドリーミングな部分だけを残したという感じです。

・ジョージ山本はどうだろう。流しなのもどうだろう。どう見ても本人にしか見えないので、このお父さんのヒストリーなんかをつい想像してしまい横道に逸れてしまうんですが。ゲスト出演感たっぷり。

・ラストも甘ーい。青春の思い出に浸るだけでは物足りない!という欲求を叶えてくれるところが今風かも。
しかし彼は彼女が来るのを見計らって歌を口ずさんだんじゃないのか…とエンディングでつい邪推してしまったので、私はまだまだセピア人としては未熟だと反省した次第でございます。

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