●バロウズの妻
Beat(2000)

〈あらすじの遺跡〉
W.バロウズを執筆に駆り立てた妻ジョーンの死。彼女が周りに及ぼした影響と、彼女自身の心の淵を覗く物語。

・とはいえビートニクについてよく知らないし、かといってジョーン役のコートニー・ラブがカート・コバーンの元奥さんと言われても「ニルヴァーナ?それって食べれるの?」状態なのだ。そんなもんだから旨みがイマイチわかってないので単なる映画の感想になってしまうわけですが。

・冒頭『これ以上ないくらい真実』という但し書き。バロウズ夫人はビート文学の旗手達に深く関与していたことがわかった。それが大きなムーブメントに発展するのだから影響は計り知れず文人の妻冥利に尽きるわけだが、彼女が書いたものが何も残っていないというのは本人的にはどうなのでしょうね。

・コートニー・ラブは一見して「姐」という言葉が似合う人だ。ゴッド姉ちゃん的。肉厚。ラブって名前からしてもう…日本語にするなら
「愛 みちよ」
みたいなインパクトが。
(なんとなく梓みちよを連想してしまいました)濃い。
この方の私生活も波瀾万丈みたいだけど、雰囲気に根の明るさを感じる。迫力満点なのに、妙に弱々しいジョーンは良かったです。

・さてバロウズ。キーファーなんですよ。
最近までご健存だったらしいので、それを元にして役作りをしてるのだろうと推測しますが、なんとも複雑な人ですな。周りの人たちも含めて、無軌道に生きてるように見える割には肝心なところでモジモジしてるのが可愛げとも言える。

バロウズさんの印象的なセリフ:

『彼は通りすがりの観光客、君は崩れかけた遺跡だ』
なんとポエチック。一度でいいからこんなことを言われてみたい。もちろん妻はこんなセリフを聞いても眉一つ動かさない。高次元…。

『ラーブ・イーズ・ノーット・セーックス…(気怠げに)』
愛人(男)に「妻を愛してやれ」と言われた後での呟き。そうっスか…。

・ジョーンの悲劇で幕切れですが、なぜか陰惨な感じがしない。みんな弱い(優しい)からでしょうか。

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