●インテリア
Interiors(1978)

〈あらすじと海〉
支配的な母親に対する娘たちの葛藤と愛情を描く静かな物語。

・文字通りとても静かな映画です。BGM一切なし。
ベルイマン監督へのオマージュらしいのですが、それらの作品を見ていないのでよくわかりません。

・コメディ色を排しているとは言え、やはりアレンらしさが滲み出ています。「ハンナとその姉妹」でウディ自身が、死にたくないあまりにカルトに入信したりする滑稽な人物を演じていましたが、この映画ではレナータがその役を担っていて、同じアイディアでもシリアスに表現していますね。
アレンのドキュメンタリー「映画と人生」でも語られていたように、ジョーイの設定は残酷。何かを表現したくて仕方がないのに、そのすべを持っていないなんて。なんて辛くて過酷。

・主人公達はよく喋りますが、張りつめた空気の中にいるような緊張感あり、スリリング。人間関係にも重みを感じる。
どの役柄にも肩入れしていない、淡々と綴るある家族の悲劇と再生への希望。
シビアだけれども、暖かい。でもやっぱりどこかに痺れが残るような話です。なんだかわからないけど、心の端っこに引っかかるような。
表題になっているインテリアデザインも、洗練されていてシャープ。

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