●薔薇の名前
The Name of The Roses(1986)

〈怪僧あらすじ〉
14世紀。イタリアの修道院で若い僧が変死、客僧ウィリアムが推理するが、犯人は見つからぬまま次々と殺人が起きる。そして修道院の秘密が明らかに…。

・これは以前見たことがあるのですが、その時はなんのことやらわからなかった。当時は中世ヨーロッパと自分の趣味がてんでリンクしなかったので、さっぱりでした。

・うって変わって現在、歴史物が好きなので興味深く見た。嗜好というのは変わっていくものですね。
おどろおどろしーい建物の内装、いかにも妖しげな修道士たち。趣としては『八つ墓村』あたりに通じるものが。誰もが思わせぶりで犯人ぽい。
しかもけっこうエグい描写もあり、暗い画面との相乗効果もあって気持ち悪さ抜群…。

・ショーン・コネリーは髪の毛がなくなればなくなるほど、かっこいいのはなぜだ!あんだけ濃い顔立ちだと、もはや毛は不要。渋いわ。修道僧姿が素敵。
私はドレープ(服のシワシワ)が大好きなのです。なので、あの出で立ちのコネリー氏にはうっとり。それで彼の弟子役、めちゃくちゃ若いクリスチャン・スレーターは純粋さを醸し出すためか、いつでも口が半開きなんですが。

・「名探偵、皆を集めて、さてと言い」がこのシチュエーションで繰り広げられるのが楽しい。全体的には割とオーソドックスな推理もの、しかしディテイルの懲りようが華麗。
なんせ中世のことなので門外漢の私は、えっそれが理由なの?といささか腑に落ちませんでしたが、知らない国の知らない時代、そういう秩序のもとではそんなことが禁忌だったのか…とこれまた想像が膨らんだのであります。

・クライマックスで本を抱きしめるショーン・コネリーが印象的。この役柄の深い背景を伺わせる。
一体いつ薔薇が出てくるんだろこんな寒々しいロケーションで、と思いながらいつの間にか忘れていたら、そういうことだったのか…。なるほどねぇ。

・しかし個性的なヘアスタイルだな修道士って。

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