●時計じかけのオレンジ
A Clockwork Orange(1971)

〈ホラーショウなあらすじ〉
暴走する超暴力少年アレックスは、ついに殺人罪で投獄されるが改心の気配なし。出所と引き替えに自発的に精神的治療を受け、暴力性が制御されたかに見えたが……。

・「機械じかけのオレンジ」だと勘違いしてて、一所懸命探しちゃったわ。店員さんに聞けばいいのに、つい意地になってしまったよ。そのうち「あれ?オレンジ仕掛け?だっけ」と混乱してきて、クマのようにウロウロしていたあやしい客。

・面白かった。
長かったけど飽きさせない。でもやっぱり長いけどね。
70年代の色彩も目に鮮やか、若者たちの無軌道ぶりもショッキングですが、どこかコミカル。舞台上の群舞を思わせるBGMや装束、流れるように物語が進んでいくので、あやしげな世界についつい引き込まれてしまう。まさにショウ。

・しかしこの状況、まったく今の世の中に似ているじゃないですか。
激しくも斬新な暴力シーンが目立ちますが、むしろ「何を刑罰の主眼に置くのか」、社会と逸脱者との関係についての素朴な疑問が浮かぶ。正しい刑罰って何だ?

・この俳優(マルコム・マクダウェル)は体張ってるねー。なんかの罰ゲームかというぐらい。
ゾクゾクする成りきりぶり。あんなに口の端が上がる人も珍しい。あーゆうイルカ・アヒル口の人は基本的に好きです。
目をこじ開けられるとこなんか、こっちも見開いちゃったよ。
彼はこの映画以来、目薬が手放せなくなったとか(from IMDb)。うう、ワカル。
最後のほう、食べさせて貰ってるシーンが憎たらしくも可愛かった。ヒナみたいで。

・造語もあそこまで多用されると、妙なリアリティが出てきますね。
私も未来の流行語を作ってみようかなぁ。で、どーするわけでもないが。
ユニフォーム(?)を来た青年達のロングショットは、複数の加藤茶に見えないこともない。

・暴力・崇拝・美・権力・個人・社会……心の内にあるあらゆる現象に目を向けさせる一方、でもやっぱり何かよくわからん?ていうシンプルな感想も若干あるわけですが。それもゲイジュツのなせる技?

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