七夕ですね。色々お願いしておこうとりあえず。

………

●最狂絶叫計画
Scary Movie 3(2003)

〈ミステリーあらすじサークル〉
呪いのビデオを見てしまった美人キャスターがラップで盛り上がって、マトリックスワールドへトリップ、宇宙人がやってきてキャー!マイコーがホー!

・こ、これがパロディの世界…。
うーむ、なかなか見応えが……ありませんよ。あるわけないじゃないですか。

・徹底的にパクってパロると、ギャグはシンプル化するのだろうか。
ほとんど、人が「コケる」もしくは「ボコられる」ネタに終始していて、とっても古典的。
「もしあのシーンであんなことがあったら…」というツッコミが、とても分かり易い形で表現されとります。

・でも8マイルのシーンで、「アメリカンアイドル」のサイモンが出てきたのは可笑しかった。
もしそうだったら笑えるのに、というポイントを押さえてる。ちゃんとドツかれてるしさ。

・なんとなく見てしまった、元ネタほとんど知らないのに。
いつ見てもセルフパロディみたいなチャーリー・シーン、たまに見たくなるのです。
●ショーシャンクの空に
The Shawshank Redemption(1994)

〈無実のあらすじ〉
殺人罪で投獄されたアンディ。彼の無実の訴えを信じる者はいない。誠実さで人望を集めていき、やがて所長の不正の片腕をかつがされる。理不尽な彼の人生に救いはあるのか。

・おおお、生きるって、希望って、すばらしいー!!

・終わり。……。

というぐらいもう何も言うことがない作品です。ええ話やのぅ。
映画を貫くムードや、レッドの視点、主人公の気持ちをさらけ出さない演出、などなど一つ一つを取り上げれば、そんなに従来の映画と手法がかけ離れているわけでもないし、とんでもなく奇抜なアイディアでもない。
なのにこの面白さ。

『映画はこう作れば面白くなるのだー!』
(↑『タマゴはこうすれば立つのだ!』な口調で読んでください)

という制作サイドの自信の現れにも感じます。

・うーむ、恐ろしいほど清々しいエンディング。
観客が主人公と同じ希望を持つように巧みに誘導されていくのが幸せに思える話。
ええ話や(エンドレス)。
●セレブリティ
Celebrity(1998)

〈あらすじ姉妹〉
作家を目指すリーが見た華やかなセレブの世界。彼が成功を夢見てもがく一方、元妻のロビンは皮肉にもとんとん拍子で素人からセレブへ。

・ディカプリオ、シャーリーズ・セロン、ウィノナ・ライダーなどなど、麗しどころを揃えて耳目を集めた映画。
が、そんなことより最大の見所はケネス・ブラナーがウディ・アレンになり切っているところ。
ウディが演じる役を彼が引き受けてるわけですが、驚くほど喋り方がそっくり。見た目はまったく違うのに、態度と口調がまったくウディ・アレンなのです。
このちぐはぐ感が一番面白かった。
ケネス・ブラナーさんは名優ですねー。

・この手法で、色んな俳優にウディを演じさせていけば、永遠に(?)映画が撮れるよ。それでどんどん男前になっていって、なのに中身はいつまでたってもあのまんま、みたいな感じで。
…でもやっぱりウディはウディじゃなきゃダメだ。
ということを実は訴えたかったのではないかと思ったり。
ハの字眉の効果の大きさを再確認したわ。

・飛行機雲で描かれた文字。このエンディングのなんともいえなさ。味わい深い。
●イン&アウト
In & Out(1997)

〈あらすじ出たり入ったり〉
結婚式を控えた教師ハワードの教え子が、アカデミー賞のスピーチで「先生はゲイ」と口走ったことから起きる大騒動。ハワードは慌てて否定、事態は収束するかに見えたのだが…。

・ストーリーのとっかかりがユニークなので、中盤までは確かに面白かったのですが、ハワードが自己に覚醒してからトーンダウン。彼自身じゃなくて周囲にスポットを当てたのが原因かなぁ。卒業式のシーンなんてほとんどセリフなし。もっと動いてほしかった。
マット・ディロンも引っかき回し役かと思ったら、妙に深い男だったというオチで、うーんそれよりも最後までおポンチ野郎を全うしてほしかったよーな。
実は彼は立派なハの字眉の持ち主ではないか。ウディと並べたい。

・んが、おかげで後半ジョーン・キューザックの動きがすごくいい。
式でカムアウトされて、「そんなこと今言うんじゃねー!」と怒り爆発するところとかコミカルながらたっぷり感情移入できて好感度大。こんなにキュートな人だとは知らなかった。色んな面が見せられるほど上手いってことですね。

・田舎町のハートフル珍騒動物語で落ち着いてしまったのが、なんかもったいないような感じ。役者が上手かったので特に。
●レディ・キラーズ
The Ladykillers(2004)

←このトム・ハンクス妙にかっこよくないですか?

〈あらすじトンネル〉
マンソン夫人は敬虔なクリスチャン。彼女の家に「教授」を名乗る男と楽団が下宿することに。実は窃盗団の彼ら、地下室で練習してるように見せかけて夫人の家から金庫までせっせと穴を掘り、まんまと大金を手に入れたが…。

・意外と面白い。南部のムードを分かり易い形にして、盤上に乗せたという感じで。
それでトム・ハンクス含むそれぞれの駒が役割をスムーズに果たしてて、あくまでもヒューマンドラマに仕上げていないところが持ち味か。おとぎ話みたいですね。

・腹を抱えて笑うわけでもないし、ほろりともしないし、教訓といえるほどの内容もないけど、その世界は一体どこだ?という不思議な感覚が味わえる。なんとなく郷愁誘うのも、この話の「ニヤリ感」とミスマッチで良い。

・蛇足。この話、あらすじ見て思い出した。むかーしむかしその昔、日本でもドラマ化されてて腐乱キー(ヤダこの変換)じゃなくてフランキー堺が教授役だったことを。BGMがモーツァルトで、女主人が可愛がっていた猫の写真を仏壇に飾ってたような気がする…(違ってたらゴメン)。タイトルは『春の珍客』、確か。
懐かしいというより、そんなことを覚えていた自分に仰天だ。
もっと重要なことを記憶しておいてほしいんだけど…my脳よ。
●不機嫌な赤いバラ
Guarding Tess(1994)

〈あらすじSP〉
有能なシークレット・サービスぶりを発揮したいダグは、元大統領夫人の警護が退屈で仕方がない。しかも夫人とは犬猿の仲。ふとしたことから心が通い合うが、誘拐事件に巻き込まれてしまい大ピンチ。

・(ふさふさじゃないけど)まだ毛があるニコラス・ケイジ。
それで大体いつ頃の作品か見当ついたりして。
さておき、力みがなくて気楽に見られる作品です。物語は他愛もないけど、押さえるところはちゃんと押さえてるし、みんないい人。いい人たちの優しい世界。心が温もる物語の見本のようだ。

・『五つ数えたら撃つぞ!』ていうニコラス・ケイジがテンパっちゃって数える前に発砲、相手に『5秒経ってねーじゃんか!』ってつっこまれたときの『ああッ』という顔がもーおかしい!
こういうのがすごく上手いから好き。ナチュラルなのか。ナチュラルボーン・オロオロ。

・仲良くなれて良かったね〜の後にふと思ったんですけれど、まさか二人に芽生えたのは恋心じゃないですよね?そーなるとまた印象も変わってくるのですが。

・大統領の一喝におどおどするダグもまた見もの。ダグではまだまだ24ワールドには参入できませんな。
面白いです。おでんみたいな映画。ぬくぬく。
●フラットライナーズ
Flatliners(1990)

〈三途のあらすじ川〉
好奇心から臨死体験を試みた医学生たち。彼らの身の回りに不可解な出来事が起こり始め、封印していた過去が襲いかかってくる…。

・うーむ、ホラーというほどおどろおどろしくなく、ヒューマンというには今ひとつでラブも物足りない。

・何より皆が皆、同じ体験をするというのが納得いかん。良心の呵責がテーマというならそれも仕方がないかもしれないが、もっとさーミラクルでエクストラオーディナリーなものを見ようよー、せっかく死んだんだから。
リスクを冒して臨死体験してあの仕打ちは踏んだり蹴ったり。それで反省したらスッキリて。プレイボーイの彼は巡礼の旅に出なくてもいいのか。
死後の世界で見せたいものがピンポイントすぎるよーな。

・ストーリー的には心残りがありますが、その分キーファーの自作自演劇場が楽しめます。このキャラクター、出だしは割と普通だったのだが後半コワれてしまい、もうボクは死ぬ!とか言いながらちゃっかり皆が助けやすいように準備しといてくれるオトボケさんです。
逆にニヒルだったケビン・ベーコンは急に保守的なナイスガイに。オリバー・ピットはオロオロするだけの外野?
役どころはイマイチだけどジュリア・ロバーツが案外かわいらしかった。

・何回も同じような蘇生シーンが繰り返されるのでちょっとくどいかも。
ちょっとビターな青春臨死もの。むやみにあの世を覗こうとしてはいけません。
きらびやかな歴史ものが見たくなったので。

●クレオパトラ
Cleopatra(1963)

〈あらすじ大行列〉
美貌の女王クレオパトラの劇的な人生。エジプトとローマ帝国を揺るがす謀略と禁断の恋。嗚呼ローマは一日にして成らず(←あんまり関係ない)。

・長い。ながーい!
歴史巨編を見たかったので覚悟はしてましたが、でもやっぱり長かった。くたびれた…。
巨額を投じているのが如実、どうだー!という散財ぶりはさすが娯楽の殿堂。
関係ないのについ自分の懐具合も考えてしまうほど。
ただ、どこを切ってもグォージャスなので、有り難みがだんだん薄れてきて中盤から「ふーんそうか」という平常心に。もったいなや。
セットも衣装もすごい。盛り上がりはやっぱりクレオパトラのローマ凱旋ですね。
オリンピックか万博の開会式じゃないんだからアンタ。どっからスフィンクス引っ張って来たんだろうー。シーザーもびっくり。素晴らしいです。

・見る前にエリザベス・テーラーの絶世の美女像をあれこれ想像しすぎたためか多少肩すかしでしたが、肉肉しくも憎々しいクレオパトラは良かったです…が何か、もひとつ物足りないような感じ。
小悪魔ニョロよ〜の範疇から出てないので、もっと得体の知れない部分を見せて欲しかったような。
それでレックス・ハリソンはヒギンズ教授(マイフェアレディ)の固定イメージが出来上がっているので、シーザーと言われてもちょっと馴染めない。スマン。いつ歌ってくれるのか期待しちゃった。
大英雄でありながら、人間臭い姿は面白かったが、しかーし!
アントニウス、君は本当にローマの英雄なのか?
お風呂の中でスポンジもみもみ、石柱の後ろでモジモジこっそり立ち聞き、ボクはシーザーにはなれないもん!とかいって暴れてダダをこねるし…クレオパトラ姐さんを困らすでない。
死に方もまた悲劇性がたっぷりなのに、なんでかコミカルに見えてしまうんですけどアントニウス君。
けっこう可愛いやつ。母性本能をくすぐるタイプかい。

・セットも良かったですが、醍醐味はCGではない騎馬軍団や海上バトル。リアリティがあり人間の臭いがする。
あと空の色が美しかった。大きな風景の中で人が争ったり出会ったり死んでいったり…まさに歴史絵巻。

・古代オリエントに興味があるので、そのあたりをモチーフにしたものも見てみようっと。
それから思えばこの時代(BC50年くらい?)は現代に近いぐらい…は言い過ぎか。
文明の歴史は短いようで長いですねぇ。
考えてることはそう変わってないようですが。
●ウディ・アレンの重罪と軽罪
Crimes and Misdemeanors(1989)

〈あらすじの矛盾〉
何不自由ない生活を送っている男。出来心の不倫から窮地に陥り、愛人を始末するが良心の呵責にさいなまれる。しかしやがて彼に別の感情が訪れる…。そんな話の間に出入りするウディ・アレンの超ハの字眉毛劇場。

・ユダヤ人、信仰、神の存在といったアレン定番のモチーフをちりばめた比較的シリアスな物語。
彼の頭の中は常に自分でいっぱいなんだろうなぁ。やっぱり面白いです。自分と真剣に対話しているからこそコミカルに語れるのかもしれない。
一生背負っていくべき重罪を犯し、自分でもそれから逃れられないと思いこんでいたのに、意外や安息を手に入れる…というのはモラルに反しているけれど、実にありそう。正悪は区別できても、判断しきれない人の気持ちの複雑さ。

・理不尽なフラれかたをしてしょんぼりするアレン。は、はまりすぎている…。まるでポツンと取り残されるために生まれてきたかのようにみじめで悲しい。けれど、オリがたまっていって浄化できないまま生きていく、というなんとも吹っ切れない感が、逆に心にシンとくる。
うーむ。なんでだろ。
のちのちまで色々思いめぐってしまう作品。
答えの出ないことの楽しさ。

・関係ないけど不倫男役の人がレスリー・ニールセンに見えてしまって、ずっと裸の銃が頭に浮かんだままだった。ああいう背格好の人はみな彼に見えてしまう。今度見て確認しよ。きっと全然違うはず。
●恋人たちの予感
When Harry Met Sally...(1989)

〈巡るあらすじ〉
腐れ縁のハリーとサリー。節目ごとにすれ違う二人は次第に友情を育み、やがて微妙な関係に変化して…。

・キュートなメグちゃん、魅力爆発の巻。
ありそうな話をありそうであまりなさそうなキャスティングで、実にありそうに見せて共感を呼ぶところが上手い。軽妙な会話で男女間の温度差を表現。
男女間に友情は成り立つか、というトピック。んが、この切り口では純粋に友情だけを抽出するのは難しいなぁ。自然な友情も当然存在すると思うけど、ここではお互いを意識してるもの最初から。

・しかし年月を経て、相手に今まで気が付かなかった魅力を発見するということは往々にしてある。気が付けばいつも君が側にいたね…みたいなの。ハッ…とする瞬間は一目惚れよりも衝撃度が高いかもしれない。

・逆リープ21な頭髪のビリー・クリスタルは、もうちょっと情けないタイプでも良かったかも。ウディ・アレンみたいに。そうなるとホントに友情止まりになりそうだ。
10年以上の歳月を自然にこなしているのはさすがメグちゃん。最初ちょっと髪の毛暴発気味でフライング。
●ペーパーチェイス
The Paper Chase(1973)

〈あらすじ法〉
ハーバード大学ロースクールでひたすらひたすら勉強する話。

・映画における大学巡礼。
といってもハッピーなキャンパスライフの描写は殆ど無く、どれだけロースクールの勉強が大変かを淡々と語っています。まさに身を削る生活。
しかしあのように密度の濃い授業と課題を乗り越えた後の達成感は尋常じゃなさそう。
勉強しなきゃいけないけど、どれぐらいやったらいいのかわからない学生さんや、ロースクールに興味がある方にはお勧め。

・時代が時代ですので、とんでもない海パン履いてたり、グループサウンズみたいな人が普通に出てきます。話は面白いのだが、どうも主人公(とそのGF)が好きになれなかった。なんでかずっとニヤニヤしてるし。そういう顔の人だと気が付いたのは終わる10分前だった。あの二人は今後上手く行くのかねぇ。しかし色々憶測して、勝手に教授に振り回されてる様子は真実味があったよ主人公君。

・学生時代にもっと勉強しておけばよかった…と一瞬思ってかき消える儚さよ。
なんでも一所懸命取り組むことが大事ですね。←これならしばらく覚えておけそうだ。
昨日買ったうぐいすもちを食べようとしたら、もう酸っぱくなってた。
半分食べちゃったんだけど!うぐいすもちめ許さん。
「気をつけろ やつはいつでも みどりいろ」
(心の標語)

●アニマルマン
The Animal(2001)

〈野生のあらすじ王国〉
どんくさいマーヴィンの憧れは警察官になること。ある日を境目に特殊能力に目覚め、注目の的に。しかしそれは秘密の肉体改造手術によって動物男になっていたからなのだ〜!ウォー!

・うわーんばかばかしいよぅ〜〜。

・ロブ・シュナイダーがキモイ!なんだこの安定した気色悪さは。しかも良く見て下さい、きれいな顔立ちをしているんですそして目も澄んでいる。なのに淀んで歪んだ空気を醸し出してるのががなんとも……
好きだー!そのわけわからなさ。

・非常にシンプルな笑いが視覚にダイレクトに飛び込んでくるので笑うしかありません。
イルカだかアシカだかの飛び込み方とかア、アホ…。一体何匹(何種類)分移植されてんだ。食うなよ牛を丸ごと。
アダム・サンドラーとロブって大体こういうスットコドッコイな感じですね。

・一番ウケたのはマーヴィンの似顔絵。なんでカメラ目線?
隅々まで行き届いたアホらしさ(しかもちょっとユルめ)で、見終わるとロブのつぶらな瞳が無駄に脳裏に焼き付いたりして危険です。
●バロウズの妻
Beat(2000)

〈あらすじの遺跡〉
W.バロウズを執筆に駆り立てた妻ジョーンの死。彼女が周りに及ぼした影響と、彼女自身の心の淵を覗く物語。

・とはいえビートニクについてよく知らないし、かといってジョーン役のコートニー・ラブがカート・コバーンの元奥さんと言われても「ニルヴァーナ?それって食べれるの?」状態なのだ。そんなもんだから旨みがイマイチわかってないので単なる映画の感想になってしまうわけですが。

・冒頭『これ以上ないくらい真実』という但し書き。バロウズ夫人はビート文学の旗手達に深く関与していたことがわかった。それが大きなムーブメントに発展するのだから影響は計り知れず文人の妻冥利に尽きるわけだが、彼女が書いたものが何も残っていないというのは本人的にはどうなのでしょうね。

・コートニー・ラブは一見して「姐」という言葉が似合う人だ。ゴッド姉ちゃん的。肉厚。ラブって名前からしてもう…日本語にするなら
「愛 みちよ」
みたいなインパクトが。
(なんとなく梓みちよを連想してしまいました)濃い。
この方の私生活も波瀾万丈みたいだけど、雰囲気に根の明るさを感じる。迫力満点なのに、妙に弱々しいジョーンは良かったです。

・さてバロウズ。キーファーなんですよ。
最近までご健存だったらしいので、それを元にして役作りをしてるのだろうと推測しますが、なんとも複雑な人ですな。周りの人たちも含めて、無軌道に生きてるように見える割には肝心なところでモジモジしてるのが可愛げとも言える。

バロウズさんの印象的なセリフ:

『彼は通りすがりの観光客、君は崩れかけた遺跡だ』
なんとポエチック。一度でいいからこんなことを言われてみたい。もちろん妻はこんなセリフを聞いても眉一つ動かさない。高次元…。

『ラーブ・イーズ・ノーット・セーックス…(気怠げに)』
愛人(男)に「妻を愛してやれ」と言われた後での呟き。そうっスか…。

・ジョーンの悲劇で幕切れですが、なぜか陰惨な感じがしない。みんな弱い(優しい)からでしょうか。

1969

2005年4月27日 アメリカもの
更にキーファー。

●1969
1969(1989)←数字ばっかり…ややこしい

〈あらすじが若かった頃…〉
1969年。ベトナム戦争が影を落とす中で青春を送る二人の青年。彼らの焦燥と逃避、やがて現実を見つめるまでを当時のヒットソングに乗せて淡々と綴る。

・若かりし頃のキーファーを見てキャーキャー言いたかったので、その目的は十分に達成されました。満足です。なのでその点のコメントは控えますが、かなりキャーキャーものですよコレは。キャー。

・しかしそれ以上に意外な衝撃があった。
それはロバート・ダウニーJr氏。なんて、なんて美しい目をした青年なんでしょう…。
……。と、ついつい思索にふけってしまうくらい。
それは例えこの世の三大みっともないスタイルのうちの一つ、『パンいちに靴、素肌にネクタイ』(そいういうシーンがあるんです)であったとしても印象は揺るがず、瞳の深さに引き込まれてしまうのであった。何者?!
彼自身映画のような人生を歩んでるようですが、ネットで見た近影もなかなか魅力的なのでこれはチェックせねば。キーファー追ってたら思わぬ出会い。ありがとう!(←ラスカルに出会ったスターリング少年の気持ち)

・スコット(=キーファー)は「ボク達は自由な葉っぱだよ、ウフフ」なんて大学生にもなってそれで大丈夫かと思っちゃう人なんですが、自由に対して無邪気な希望があった時代だからか浮いてない。親の戸惑いも子の無関心もやがては反戦に結びついていき…はいいのですが、しかしちょっと気になったのは「WW2はグッドウォーだったからいいけど、ベトナムはダメだ」みたいなセリフが。グッドウォーて何だ?と思ったり。日本人とは帳尻の合わせ方が違うのは当然ですけどね…。

・ラストはちょっと盛り上がりすぎなような気もしましたが、(大勢いると思われる)1969年に思い入れのある人たちから見れば、あの時代に分かち合った空気感に対する愛おしみみたいなものかな。青春は遙かなり。

・音楽の使い方が絶妙にうまい。8割方それで成功してます。
あとは主役の二人ですね!実生活でも友人だったらしく素に近いようなナチュラルさでした。
●ヤングガン2
Young Guns 2(1990)

〈あらすじは仲間2〉
リンカン郡の戦いのあと、野放図に生きるビリー。昔の仲間との再会、裏切り。追い詰められながらも抵抗に情熱を燃やす荒野のカリスマ、ビリー・ザ・キッドの生き様。

・見てないと思ってたら見てたらしい。思い出したけど、そういえばこの時はクリスチャン・スレーターのファンだった。うーん上手い具合にキーファーを避けてます。我ながら感心。

・1が紙芝居的な面白さなら、こっちは立体的な楽しさ。前作がパウダーサンドなら、2は石つぶて混じりのドライサンド。何より苦み・渋みがプラスされてるのが良い。この苦みのおかげで今回のビリーにはすんなり入っていけました。より魅力的になった。

・しかし同じ素材を扱っていても、撮る人によって映画というのは実に変わるもんだと今更ながら実感。シリーズものを見る楽しみか。
とにかくアップ、アップの連続。主役も脇役も、男前もブサイクも皆アップ。漫画に例えるなら『バーン!』とか『ズシャ!』とか描き文字付きの大ゴマ(1ページの半分ぐらいね)。分かり易い!シンプル!
こういうのが西部劇の旨み?
ホーな姐さんとか、あまり本編には関係ないけどいかにも思わせぶりな西部劇の住人の、いかにも西部劇的な行動。待ってました!みたいなの。時代劇の醍醐味。

・パット・ギャレットが良かった。表情が乏しいけど、おかげでクライマックスまで緊張感が持続するしビリーの弱さも浮き彫りに。
いい続編だと思います。エンディングがカッコイイね!笑い声で終わるアマデウス風。決めぜりふにニヤリ。余韻残しが上手い。

・ではここからキーファー目線:

不満。死んだから。子どもか。
いや死んでくれるのは大いにけっこうですが、明らかにルーの倒れざまの方がカッコイイじゃないですか。うーんあれの上を行くのは無理。だけどルー、髪の毛多すぎないか。
キーファーはこのまま行けばダン・エイクロイド型になりそうなポッテリ感。フフ(無意味な笑い)。

しかし小指が立ってるヴィゴに撃たれたので良しとする。
アラゴン様にジャックが!やはり王の方が強かった。ということで。
やっぱり子ども。
カロリーメイトのCMオンエアまで待ちきれないので、その間にキーファーの復習を。

●ヤングガン
Young Guns(1988)

〈あらすじは仲間〉
1878年ニューメキシコ。悪名高いビリー・ザ・キッド、その仲間達の葛藤と暴走の青春を描くニューウェスタン活劇。

・コレ劇場で見たんだよなあ確か。見ているうちに思い出しましたが、私はルーのファンだったのでした。忘れてた。「ラ・バンバ」懐かしー。しかし今見返してみると。

・ギャー!
カワイイ!キーファーが!!
どうしたことか今更ながらドキドキしてしまいました。遅い、遅いよ。しかしすごいな!ジャック効果は。
それでもってやっぱりルーはステキ、二次元的なかっこよさ。決まりすぎ。
そしてエミリオ。誰かに、誰かに似ている…。……森進一?(スミマセン)

・ほとんど西部劇というものを見たことがないので、一体どういう世界観とお約束ごとがあるのかちょいと不明なのですが、若手の人気者を西部劇に出してワーッとやっちゃいましょう、という企画(かどうかは知りませんが)にしては勢い任せではなく、練られている印象。
よく『キャラが立っている』なんて言うけど、その辺り苦心してあって役者の雰囲気とバッチリ合ってる。

・ワルにも理由があるというわけですが、しかしこのビリー像、私はちょっとついて行けなくて『がんばれー』という気持ちに成りがたかった。その点エミリオも気を遣ったらしく、(インタビューで)共感を呼ぶために敵を倒す痛快さに観客を引き込もうとした、と言ってましたが。分岐点はそこら辺かな。その努力は別の形で実ったかも。
というのは無邪気なアウトローぶりが冴え渡りすぎて、よけいコワイ。熱いハートをもった冷酷無比なビリー。ややこしい男。しかも弁が立つ。妙なヘリクツ理屈をこねて離れようとする仲間を引き留めるし。彼の論理にいつのまにやら染まってる"pals"。迷いがないビリーはカッコイイんだけどね。

・カッコイイといえば、オープニング。
それとクライマックスのびっくり箱から飛び出すビリーと馬を操るチャベズ!
チャーリー・シーンの倒れざま。お手本のよう。
しかし一番かっこよかったのはチャーリー(役柄のほうです)かも。瀕死で銃を構えて、笑って倒れる姿は泣ける。

・↓ここからはキーファーの話。

映像特典でインタビューに答えるキーファーは、言うまでもなく若い。今から17年前かー。ヒー。自分の上に通り過ぎた年月の重みも感じてしまうのですが、それはさておき、この寝起きのような頭にフツーのTシャツ着た、いかにもそのあたりのモールを歩いてそうな兄ちゃんがこの数年後一生言われるであろうジュリア・ロバーツとのすったもんだがあって、アトスになって(これは重要!)紆余曲折、死んでも死なないフェデラルエージェントとなり大人気を博すことになろうとは、お釈迦様でも気がつくまい…。
24で邂逅しなければ、こうやって遡ろうとは思わなかったわけだから不思議なもんだ。
しかし現在の彼が年相応のいい顔をしているのを見ると、同じような世代としては単純にがんばって欲しいなーと思うのであります。
(でもどうせなら今「カワイイ!」と言うんじゃなくて、当時「カッコイイ!」と思いたかったわ。複雑…)
そうそう、チャーリー・シーンはインタビューで「僕はもう金輪際馬には乗りませんから」て断言してたのに(馬と相性が悪いらしい)、結局「三銃士」で乗ってるから笑えた。だからなんとも言えない堅い顔(いつも?)してたのかしら。

・この映画では最初から最後までキーファーは出ずっぱり。ホクホク。
とくに最初のライフル構えて"Howdy!"の顔にはもう…。ウッ。
コートの長さも、ボサ毛具合も丁度よろしいし、ありがとう!(言葉に詰まると礼を言います)
エミリオのシャツはおじいちゃんが着ていたラクダっぽかった…。
それにしてもちょっと声をかけられれば銃を抜き、目が会えば発砲て、命がいくつあっても足りないよー。

・蛇足。ドクのGFが囲い主に「チャイナー!」と呼ばれてたけど、もし日系なら「ジャパーン!」なんでしょうかね。

・次に続きます。多分。
●ウディ・アレンのバナナ
Bananas(1971)

〈あらすじ三段落ち〉
さえない男フィールディングが、反政府運動家のナンシーに一目惚れ。フラれた腹いせに南米を旅してみれば、いつのまにやら革命ゲリラの仲間入り。あれよあれよと大統領にまでなってアメリカに帰国してみれば…。といいつつこの映画は別にストーリーはどうでもいいのです。

・ウディ・アレンのコント集(?)。
途中「志村けん?」と思えるようなギャグもあり。彼の作品では、ストーリー性のあるものを選んで見ていたので、あまりにもベタなコントをやっているのを見るのは、なかなか新鮮でした。でも、あなた昔っからそうだったのね、と思えるアレンぶり。
フーバー長官のくだりなどは知っていたらもっと可笑しいはず。時代背景に詳しくない自分がクヤシイ。あと音楽がすごくいいです。

・ほんとにどうでもいい話なので肩に力も入らないし、しんみりするところもない。はずなんだけど、余韻がほどよく残るのですね。喋る以上に物言いたげなハの字眉毛を深読みしすぎでしょうか。
やっぱりウディ・アレンは面白い。存在自体が。

・ちょっと気の弱い佐々木光太郎(@「お父さんは心配症」)みたいなアレンを見てみたい方にはおすすめ。
こんにちは。
4月なので、なんとなく改まってご挨拶を。ペコリ。

………

●アトミック・カフェ
The Atomic Cafe(1982)

〈あらすじシェルター〉
WW2から冷戦時代にかけての原爆・水爆を扱ったアメリカのメディアを取り上げたドキュメント作品。コミカルでありつつ背筋が冷える斬新な編集。

・ムーア監督はこれに影響を受けて映画を撮り始めたのだそうです(作品解説による)。それでもって製作者の二人がブッシュ大統領のイトコなんだそう。なんと奇遇な。色んな人がいるんだねブッシュファミリー。

・ナレーションと映像のつなぎ方が絶妙。確実な問題提起がなければ、こう上手くはいかないだろう。しかし、すごい話だねこれは。
当然だけど日本の歴史とアメリカンヒストリーはぜんぜん違うことを痛感するし、滑稽なぐらい東西核威嚇バトルに翻弄される市民の姿を見ると、時代と政治によるプロパガンダの身勝手さに虚しくなります。

・それにしても随時挿入されるカントリー調のatomicソングシリーズ(?)は何だ。わけがわからん。呑気なのか緊迫してるのか。どうしたいんだアメリカ人。アイゼンハワーの歌なんて、韻まで踏んじゃってノリノリ。ビックリ。

・痛烈な皮肉がこもっているパワーのある作品。切り口が真面目すぎないところが賢い。
これもまた自由ではないアメリカの側面を知るのに重要な映画。
キーファーのくるみボタンに懸想していたら、知らぬ間に時が流れてました。
いかーんこのままでは。この決着(?)は近いうちに必ず!

………

●ロジャー&ミー
Roger&Me(1989)

〈あらすじ&うさぎ〉
急な工場閉鎖により失業者で溢れた町フリント。G.モータース会長ロジャー・スミスにあの手この手で接触しようとするムーア監督。その背後に浮かび上がる社会問題、人々の姿を描く。

・ムーア監督を見ると反射的に越前屋俵太を思い出します。なんとなく。
この頃の監督は現在の二分の一ぐらい(?)の大きさ。若い。のか?

・解説に「ドキュメントの体裁をとったエンターテインメント」と書かれていて、結局その通りだなという印象です。
よく言われていることですが、この監督の映画は客観的な視点に見せかけながら、実は彼の主観による構成で出来上がっているので、公正なジャッジメントを視聴者に委ねるというよりも、糾弾の志を問われているような感じ。ここでは、見終わったら「なんてやつだロジャー!」と思わせる仕掛け。
不条理に対して声を上げるというのは、非常に大切なことなのでその点では大いに同意しますが、だけどよく考えれば結局一体何が言いたいのか、それではどうすれば良かったのか…というフォローがない。追求と糾弾でプツンと切れてしまって、怒りのままうやむやにしているのが残念なところ。

・それでもやはりこの手法は面白い。
後の「ボウリング〜」への確かな踏み台になっているのが感じられるし、こういう作品がなければ現代アメリカ(の一部)を俯瞰することも出来ないだろうし。外国人である我々にとっては貴重。しかもこういう映画はやはりアメリカでなければ作ることが出来ないだろうという点でもユニーク。
日本だったらさしずめ、タイムリーなところで『ヨッシー&ミー』→西武グループのドキュメント。それか『フジ&ミー』かな…ミーはホリエモン?どんな話だ。

・うさぎさん…うわーん。

三銃士

2005年3月23日 アメリカもの
ああ、酷い目にあった。しかしなんとか復活。

………

●三銃士
The Three Musketeers(1993)

〈一心同体のあらすじ〉
国王暗殺を謀る枢機卿、そうはさせじと立ち上がるは三銃士アンド命知らずの若者ダルタニアン。丁々発止の剣戟のあとにはお約束の大団円。

・うっ!かっこいい!アトスが!

・アトスがー!!ということでこれはアトス=キーファー・サザーランドのコスプレを堪能するための映画です。それだけで十分。
昔はあまり彼には注目していなかったのですが(どこをとってもシャープな顔立ちがなんかこわかった)、24三昧の今見てみると「ああっ!」と。この「ああっ!」は「しまった!それがあったのか!」というような意味です…て、よくわかんないけどとにかくよかったよアトス!(でも何を演じても同じだねジャック!)

・些細な点はもとより、骨となるストーリーも気にし出すと止まらなくなるほどざっくりとした作りなのですが、それも平易な面白さを追求するがゆえ。まとまりのあるディズニーらしい話。あんだけドンパチしといて最後の決闘は剣なんだよなあ。あの王様…コント?
ちなみにこのフランスはアメリカの中にあるのだと思われる。多分サンディエゴあたりに。

・アトスがくるみボタンいっぱいの服をまとっているだけで満足です。ありがとうみなさん!
欲を言えば、もう少しマントを翻らして欲しかった。景気よくバサッと。その点では「仮面の男」に軍配があがる。この二つの映画をリンクすると楽しい。合体させとこ。

・チャーリー・シーン、いるだけでなんとなく笑えるのはなぜ。ニコラス・ケイジと似た空気感。
ミラディが小柳ルミ子に見えるよ。アトスとルミ子…愛憎劇度アップ。

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