エジプトと言えばこういうのもあった。

時代はハトシェプスト女王の頃、BC1466年。
奴隷になった少女が、国家を揺るがす恋をする…。

と言ってもこの話の主題は『運命の愛』でして、この後現世で結ばれぬ恋人達がエジプトに留まらず色んな時代(邪馬台国とかWW2のドイツとか)に輪廻転生していく壮大なロマンスなのであります。

「ファラオの墓」の主人公達がプライドをぶつけ合う激情型なら、こちらは大変に理性的。皆さん己が未熟さを恥じ、相手を常に慮り、理想が高い。
美しい人間関係に心が洗われます。話の展開にもぐいぐい引き込まれる大ロマン。

んが、理想に走るあまりの思いこみの激しさと理屈っぽさも感じちゃったりするのは、私がもう少女じゃないからかもねー。さみし。
●フラットライナーズ
Flatliners(1990)

〈三途のあらすじ川〉
好奇心から臨死体験を試みた医学生たち。彼らの身の回りに不可解な出来事が起こり始め、封印していた過去が襲いかかってくる…。

・うーむ、ホラーというほどおどろおどろしくなく、ヒューマンというには今ひとつでラブも物足りない。

・何より皆が皆、同じ体験をするというのが納得いかん。良心の呵責がテーマというならそれも仕方がないかもしれないが、もっとさーミラクルでエクストラオーディナリーなものを見ようよー、せっかく死んだんだから。
リスクを冒して臨死体験してあの仕打ちは踏んだり蹴ったり。それで反省したらスッキリて。プレイボーイの彼は巡礼の旅に出なくてもいいのか。
死後の世界で見せたいものがピンポイントすぎるよーな。

・ストーリー的には心残りがありますが、その分キーファーの自作自演劇場が楽しめます。このキャラクター、出だしは割と普通だったのだが後半コワれてしまい、もうボクは死ぬ!とか言いながらちゃっかり皆が助けやすいように準備しといてくれるオトボケさんです。
逆にニヒルだったケビン・ベーコンは急に保守的なナイスガイに。オリバー・ピットはオロオロするだけの外野?
役どころはイマイチだけどジュリア・ロバーツが案外かわいらしかった。

・何回も同じような蘇生シーンが繰り返されるのでちょっとくどいかも。
ちょっとビターな青春臨死もの。むやみにあの世を覗こうとしてはいけません。
昨夜この本←「空中ブランコ」のドラマを見た。

似て非なるものというか、似てもいないものでしたが、特に思い入れのない物語なのでそれなりに楽しめました。
しかし阿部ちゃんはどうやっても男前だと思うんだけど。

私の読解力が悪いのか、伊良部先生は

「喪黒福造とパタリロとヤッタラン副長をまぜこぜにしたような人物」

がイメージだったのですが。
原作が漫画チックなので、そういうキャラクターしか思い浮かばない。
現実にそんな人いなさそうなので、桜金造あたりでどうでしょう。それで視聴者が振り向くかどうかは別問題。
胡散臭さを買って小日向さんとか。

ヅラの義父に頭が上がらないお婿さんの話も盛り込んで欲しかったなぁ。あのエピソードが一番面白かったから。
そうなるとキャスティングが微妙なのか?

それよりも「への字口でタバコをくわえる」堺雅人が妙にキュートだったのでそれが収穫だった。

どうも私はハの字眉毛とへの字口に弱いようです。
これ見たかったので発売されるのは嬉しいのですけれども…。
ううむ。
劇場未公開作品だし、最近の日本の映画市場を鑑みるとこーゆう邦題がついてもしょうがないとは思うけどー。
なんか、こう、もうちょっと…ねぇ?

『The Singing Detective』なのでせめて「歌う名探偵」ぐらいでは…(普通すぎるか)。

どこからともなくあのテーマ音楽が聞こえてきそうな…。
エジプトで思い出したのがこの作品。

今から四千年ほど前ということなので、中王国時代あたりでしょうか。
クレオパトラよりもずーっと昔の話ですね。

子どもの頃に読んだきりでしたが、今読み返すと感心しきり。
とにかく良くできた話だなーという点で。
戦記の引用などが出てくるので何かの史実を拝借してるのかと思ってたら、まったくのフィクションだそうで、そのダイナミックな構成には脱帽。
少女漫画黎明期の伸び伸びした勢いが紙面から飛び出してくるような。
タイトルがいいよねー。
すべての出来事はもはや墓の中、歴史は沈黙する…て感じで。
この異国情緒に夢中になった少女は数多かったに違いない。

しかしスネフェル王とナイルキア姫には幸せになって欲しかったねぇ。
この悲劇も乙女心をくすぐったであろう。

(ちなみに私は何も覚えていなかった。感受性がないのだろうか)
きらびやかな歴史ものが見たくなったので。

●クレオパトラ
Cleopatra(1963)

〈あらすじ大行列〉
美貌の女王クレオパトラの劇的な人生。エジプトとローマ帝国を揺るがす謀略と禁断の恋。嗚呼ローマは一日にして成らず(←あんまり関係ない)。

・長い。ながーい!
歴史巨編を見たかったので覚悟はしてましたが、でもやっぱり長かった。くたびれた…。
巨額を投じているのが如実、どうだー!という散財ぶりはさすが娯楽の殿堂。
関係ないのについ自分の懐具合も考えてしまうほど。
ただ、どこを切ってもグォージャスなので、有り難みがだんだん薄れてきて中盤から「ふーんそうか」という平常心に。もったいなや。
セットも衣装もすごい。盛り上がりはやっぱりクレオパトラのローマ凱旋ですね。
オリンピックか万博の開会式じゃないんだからアンタ。どっからスフィンクス引っ張って来たんだろうー。シーザーもびっくり。素晴らしいです。

・見る前にエリザベス・テーラーの絶世の美女像をあれこれ想像しすぎたためか多少肩すかしでしたが、肉肉しくも憎々しいクレオパトラは良かったです…が何か、もひとつ物足りないような感じ。
小悪魔ニョロよ〜の範疇から出てないので、もっと得体の知れない部分を見せて欲しかったような。
それでレックス・ハリソンはヒギンズ教授(マイフェアレディ)の固定イメージが出来上がっているので、シーザーと言われてもちょっと馴染めない。スマン。いつ歌ってくれるのか期待しちゃった。
大英雄でありながら、人間臭い姿は面白かったが、しかーし!
アントニウス、君は本当にローマの英雄なのか?
お風呂の中でスポンジもみもみ、石柱の後ろでモジモジこっそり立ち聞き、ボクはシーザーにはなれないもん!とかいって暴れてダダをこねるし…クレオパトラ姐さんを困らすでない。
死に方もまた悲劇性がたっぷりなのに、なんでかコミカルに見えてしまうんですけどアントニウス君。
けっこう可愛いやつ。母性本能をくすぐるタイプかい。

・セットも良かったですが、醍醐味はCGではない騎馬軍団や海上バトル。リアリティがあり人間の臭いがする。
あと空の色が美しかった。大きな風景の中で人が争ったり出会ったり死んでいったり…まさに歴史絵巻。

・古代オリエントに興味があるので、そのあたりをモチーフにしたものも見てみようっと。
それから思えばこの時代(BC50年くらい?)は現代に近いぐらい…は言い過ぎか。
文明の歴史は短いようで長いですねぇ。
考えてることはそう変わってないようですが。
生きーているかーらー♪
ということでコナンなんですけれども、結局再放送しているときに見ることができなかったのでオトナ借りして見た。

一昔前まではコナンと言えば名探偵ではなく、未来少年なのに全くアナログ、筋肉番付どころの騒ぎではないスーパー野生児のことでした。

宮崎エキスがこれでもかーというほど濃厚で、キャラクターに無駄な動きが無く凛としてるし、サブキャラもサポーティブ、唯一の悪役レプカも悪どいあまりにコミカルで、全体としてはポジティブなジュブナイルものなのに、妙に鉄のリアル感があってメカメカしいギガントとか…塔とか好きだね宮崎さんて。

今見返すとそんなことがあれやこれやと思い浮かべてより楽しめますが、当時何より私がびっくりしたのは

「エヌエッチケーが連続アニメを放送している!」

ということで、それはそれは子ども心にも大変印象的な出来事でした。
今ではまったく違和感のないことですが、いやー驚いたねあんときゃ。
しかも初の試みでいきなり

「2008年、大陸は海に沈んだ…」

というもの悲しくも希望のないオープニングで始まるSFアドベンチャー。
NHKも割と冒険好きだったのね。
(その後「名犬ジョリィ」「ニルスの不思議な旅」など心温まる名作が続く)

さておきコナンとラナの涙ぐましい信頼関係は言うに及ばないけど、ジムシーかわいいなぁ(↑画像参照)。
こんな子欲しい。食費がかさみそうだけど。
ウマソウ(ブタの名前)も一緒に欲しい。
声を充てているのは青木和代さんという女優さんで「トム・ソーヤの冒険」でハック役もされている。
うーん、ハックも好きだったんだよねー。あの独特の声が好き。

おじいさん好きとしては、委員会の博士ズもたまりません。ラオ博士はちょっとフランケンだが。
中でも、なぜか黒サングラスの博士が。
なのでインダストリアの最期のシーンは悲しい。

現代のオタクブームを予見してるのかのようなダイス船長のロリコンぶり。
しかし結局ロリを克服(?)してキャリア・ウーマンと結ばれるという、こちらもまたハッピーエンディング。…なのか?

それにしても2008年て、もーすぐではないの。
100年ぐらい先のつもりで見てたのに。
●ウディ・アレンの重罪と軽罪
Crimes and Misdemeanors(1989)

〈あらすじの矛盾〉
何不自由ない生活を送っている男。出来心の不倫から窮地に陥り、愛人を始末するが良心の呵責にさいなまれる。しかしやがて彼に別の感情が訪れる…。そんな話の間に出入りするウディ・アレンの超ハの字眉毛劇場。

・ユダヤ人、信仰、神の存在といったアレン定番のモチーフをちりばめた比較的シリアスな物語。
彼の頭の中は常に自分でいっぱいなんだろうなぁ。やっぱり面白いです。自分と真剣に対話しているからこそコミカルに語れるのかもしれない。
一生背負っていくべき重罪を犯し、自分でもそれから逃れられないと思いこんでいたのに、意外や安息を手に入れる…というのはモラルに反しているけれど、実にありそう。正悪は区別できても、判断しきれない人の気持ちの複雑さ。

・理不尽なフラれかたをしてしょんぼりするアレン。は、はまりすぎている…。まるでポツンと取り残されるために生まれてきたかのようにみじめで悲しい。けれど、オリがたまっていって浄化できないまま生きていく、というなんとも吹っ切れない感が、逆に心にシンとくる。
うーむ。なんでだろ。
のちのちまで色々思いめぐってしまう作品。
答えの出ないことの楽しさ。

・関係ないけど不倫男役の人がレスリー・ニールセンに見えてしまって、ずっと裸の銃が頭に浮かんだままだった。ああいう背格好の人はみな彼に見えてしまう。今度見て確認しよ。きっと全然違うはず。
(以下は普段あまりソフトを購入しない人のつぶやき)

ふと電気量販店のDVDコーナーに立ち寄ってみた。

そしたら「一枚買ったら一枚オマケ」的なノボリが至る所に。
どの会社のを見ても「期間限定!」「見逃すな!」「今しかない!」てなノリで押してくるので(←勝手なイメージ)、なんだか妙に焦ってしまいつい真剣に選んでしまいました。
アマゾンなどで、DVD安くなってるなーと眺めてるだけだったけど、実際陳列してあるのを見るとつい手に取ってしまうものですね。

その店ではあちこちでBGMが。
おかげで雅楽のメロディとスカのリズムの上にクリスタル・ケイが乗っているというよくわからないミクスチャーが誕生してて、購買意欲が刺激されたのかも知れん。マーケティング戦略か。

ともあれ結局「三銃士」と「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」を買いました。

ウフフ。これでいつでもアトスの
『ノーーーー!!』のシーンとか
(↑元妻が処刑される寸前のセリフ。限りなく棒読みに近いような叫び。なんかツボ)
『行け!さもなくば俺がお前を撃つ!』が見放題。
(↑ジャック並に敵に包囲され、味方を逃すため自分が囮になったときの男前セリフ。こっちはほんとにカッコイイーのだよーぅ)

そして「ロイヤル〜」のオーウェン・ウィルソンのインタビューを見てたら無性に彼に梅干しを食べさせたくなった。
彼は口が「チュウゥゥ〜」てなったところがチャーミングですね。吸盤のようで。ムチュ。
この短期間を振り返ってみればほとんどキーファー・サザーランド尽くし!
さてこの後も続くのか?
しかしフィルモグラフィーを見ると何やら怪しげな邦題の羅列。

『連鎖犯罪』『霊視』『要塞監獄』『美しき家政婦』…などなど。

ううむ、字画の多いタイトルにB級の香りがつきまとうのはなぜだろう。
原題見るとそんなでもないのだが。
B級ダイスキなのでウェルカムだけど、もしかしたらB級特有のスコーンとした間抜けさを醸し出さずにただのマヌケ(あわわ)になっているところを見てしまったらトホホなので、レンタルで見つからなかった場合、所有してまで見たい!という意欲が高まらないのだった。いつかチャンスに巡り会えば見たい。消極的。

でも何本か食指が動くものもある:

1)ヴァージン・ハンド(↑画像参照)
共演者がウディ・アレン、デビッド・シュワイマー(とシャロン・ストーン)などのシニカルコメディ。
単体としてはどの人もかなり好きだが、果たしてどうなのかコレ。
いくら好きだからと言って、どんぶりにウニとステーキとモンブランを乗せて食べたらハテ美味しいかというよーな。意外とイケるかもしれないけど胸焼け起こしそう。いずれにしても複雑な味わいの予感。しかし気になる。

2)Behind The Red Door
一人の女性が人生を見つめなおして前向きに生きる…自分探しストーリー。日本版は出てない。
キーファーは主人公の兄でエイズ患者。評判が良いので見てみたい。とってもエモーショナルで琴線に触れる話らしい…です。
ドンパチングものよりも、こういう作品のほうがチカラが抜けてて面白そう。

ま、ボチボチ見ていくことにします。
●恋人たちの予感
When Harry Met Sally...(1989)

〈巡るあらすじ〉
腐れ縁のハリーとサリー。節目ごとにすれ違う二人は次第に友情を育み、やがて微妙な関係に変化して…。

・キュートなメグちゃん、魅力爆発の巻。
ありそうな話をありそうであまりなさそうなキャスティングで、実にありそうに見せて共感を呼ぶところが上手い。軽妙な会話で男女間の温度差を表現。
男女間に友情は成り立つか、というトピック。んが、この切り口では純粋に友情だけを抽出するのは難しいなぁ。自然な友情も当然存在すると思うけど、ここではお互いを意識してるもの最初から。

・しかし年月を経て、相手に今まで気が付かなかった魅力を発見するということは往々にしてある。気が付けばいつも君が側にいたね…みたいなの。ハッ…とする瞬間は一目惚れよりも衝撃度が高いかもしれない。

・逆リープ21な頭髪のビリー・クリスタルは、もうちょっと情けないタイプでも良かったかも。ウディ・アレンみたいに。そうなるとホントに友情止まりになりそうだ。
10年以上の歳月を自然にこなしているのはさすがメグちゃん。最初ちょっと髪の毛暴発気味でフライング。
●ペーパーチェイス
The Paper Chase(1973)

〈あらすじ法〉
ハーバード大学ロースクールでひたすらひたすら勉強する話。

・映画における大学巡礼。
といってもハッピーなキャンパスライフの描写は殆ど無く、どれだけロースクールの勉強が大変かを淡々と語っています。まさに身を削る生活。
しかしあのように密度の濃い授業と課題を乗り越えた後の達成感は尋常じゃなさそう。
勉強しなきゃいけないけど、どれぐらいやったらいいのかわからない学生さんや、ロースクールに興味がある方にはお勧め。

・時代が時代ですので、とんでもない海パン履いてたり、グループサウンズみたいな人が普通に出てきます。話は面白いのだが、どうも主人公(とそのGF)が好きになれなかった。なんでかずっとニヤニヤしてるし。そういう顔の人だと気が付いたのは終わる10分前だった。あの二人は今後上手く行くのかねぇ。しかし色々憶測して、勝手に教授に振り回されてる様子は真実味があったよ主人公君。

・学生時代にもっと勉強しておけばよかった…と一瞬思ってかき消える儚さよ。
なんでも一所懸命取り組むことが大事ですね。←これならしばらく覚えておけそうだ。
昨日買ったうぐいすもちを食べようとしたら、もう酸っぱくなってた。
半分食べちゃったんだけど!うぐいすもちめ許さん。
「気をつけろ やつはいつでも みどりいろ」
(心の標語)

●アニマルマン
The Animal(2001)

〈野生のあらすじ王国〉
どんくさいマーヴィンの憧れは警察官になること。ある日を境目に特殊能力に目覚め、注目の的に。しかしそれは秘密の肉体改造手術によって動物男になっていたからなのだ〜!ウォー!

・うわーんばかばかしいよぅ〜〜。

・ロブ・シュナイダーがキモイ!なんだこの安定した気色悪さは。しかも良く見て下さい、きれいな顔立ちをしているんですそして目も澄んでいる。なのに淀んで歪んだ空気を醸し出してるのががなんとも……
好きだー!そのわけわからなさ。

・非常にシンプルな笑いが視覚にダイレクトに飛び込んでくるので笑うしかありません。
イルカだかアシカだかの飛び込み方とかア、アホ…。一体何匹(何種類)分移植されてんだ。食うなよ牛を丸ごと。
アダム・サンドラーとロブって大体こういうスットコドッコイな感じですね。

・一番ウケたのはマーヴィンの似顔絵。なんでカメラ目線?
隅々まで行き届いたアホらしさ(しかもちょっとユルめ)で、見終わるとロブのつぶらな瞳が無駄に脳裏に焼き付いたりして危険です。
アリーを見てます。
ロバート・ダウニーJrを見たいからです。

ところがアナタ、シーズン4まで出てこないというではないか。
うーん、これはサックリ進行せねば…。
と思うのですが、そこには大きな障壁があった。

アリーが好きになれーーん!

主人公と気が合わなければ、先に進めないではないかー。
とりあえずS4にワープすればいいのかも知れないけど、話の前段を知っておきたいし、しっかり主人公に感情移入したところでボブ登場!という運びが理想だしブツブツ。

なんだかなー。
キリキリしてる人を見るのはしんどい。トホホ。
こういうシチュエーションのストーリーはテンポが速いし、主人公が空回りしてる様子は親近感が持てるはずなんだけど従来は。
ブリジット(ジョーンズ)みたいにおっとりした苛立ちなら楽しく見られるけど、アリーはどうも痛々しくてこっちまでイテテテとなり、引いてはアイタタタ…な気分に。
最初だけなんですかね、あとはウキウキラブコメに?

それに元彼と微妙な関係というのもね…。
そんでもってその奥さんとも友情を育むというのもねー。
うーん。わからん。
バブー。

と言いつつ、苦手なものが後からリバウンドでものすごく好きになる、ということがよくあるので、キャラクターが安定してくれば親しみが沸いてくるかも、という淡い期待を抱きつつ、なんとかロバート・ダウニーJrに辿り着こうと目下努力中。
自分を騙し続ければいつか本物になるであろう。

(そこまでして見たいかっつー話)
●バロウズの妻
Beat(2000)

〈あらすじの遺跡〉
W.バロウズを執筆に駆り立てた妻ジョーンの死。彼女が周りに及ぼした影響と、彼女自身の心の淵を覗く物語。

・とはいえビートニクについてよく知らないし、かといってジョーン役のコートニー・ラブがカート・コバーンの元奥さんと言われても「ニルヴァーナ?それって食べれるの?」状態なのだ。そんなもんだから旨みがイマイチわかってないので単なる映画の感想になってしまうわけですが。

・冒頭『これ以上ないくらい真実』という但し書き。バロウズ夫人はビート文学の旗手達に深く関与していたことがわかった。それが大きなムーブメントに発展するのだから影響は計り知れず文人の妻冥利に尽きるわけだが、彼女が書いたものが何も残っていないというのは本人的にはどうなのでしょうね。

・コートニー・ラブは一見して「姐」という言葉が似合う人だ。ゴッド姉ちゃん的。肉厚。ラブって名前からしてもう…日本語にするなら
「愛 みちよ」
みたいなインパクトが。
(なんとなく梓みちよを連想してしまいました)濃い。
この方の私生活も波瀾万丈みたいだけど、雰囲気に根の明るさを感じる。迫力満点なのに、妙に弱々しいジョーンは良かったです。

・さてバロウズ。キーファーなんですよ。
最近までご健存だったらしいので、それを元にして役作りをしてるのだろうと推測しますが、なんとも複雑な人ですな。周りの人たちも含めて、無軌道に生きてるように見える割には肝心なところでモジモジしてるのが可愛げとも言える。

バロウズさんの印象的なセリフ:

『彼は通りすがりの観光客、君は崩れかけた遺跡だ』
なんとポエチック。一度でいいからこんなことを言われてみたい。もちろん妻はこんなセリフを聞いても眉一つ動かさない。高次元…。

『ラーブ・イーズ・ノーット・セーックス…(気怠げに)』
愛人(男)に「妻を愛してやれ」と言われた後での呟き。そうっスか…。

・ジョーンの悲劇で幕切れですが、なぜか陰惨な感じがしない。みんな弱い(優しい)からでしょうか。
さて、お話ししたように(してないけど)
『問いかけるような眼差し』
に弱い私。ましてやそれが芸達者から発せられるものだとしたら吸い寄せられても仕方がないというものです。
誰のことかと言えばそれはコメディ界のグリーン・ジャイアント、今やムービースターのウィル・フェレル。
いいよね〜彼。(←プロデューサー口調)

彼の瞳が何かを物語ってるかどうか実際のところアンノウンですが(眠たいだけかも)、ともかくあのたたずまい、芸の細かさぶりはただ者ではない。そこにいるだけで奇妙に可笑しい。
例えば「ズーランダー」で扮したデザイナーと助手(名倉似)が、激しく目配せし合っているのとかを思い出すだけで幸せ。

忘れないようにウィル情報をクリップ:

・メリンダとメリンダ
http://www2.foxsearchlight.com/melindaandmelinda/

ウディ・アレン監督作品。マンハッタンが舞台のロマンチックコメディ。いつものあんなカンジの話にウィルが。眉毛はハの字か?

・Kicking & Screaming
http://www.kickingandscreamingmovie.com/index.php

リトルサッカーチームの監督が負けず嫌いの親父率いるチームと激突、勝負は次第にエスカレートし…てなストーリー。爽やか人情コメディですかね。アメリカでサッカーていうのがピンと来ませんが。
それよりもHPのウィルがどれもブッシュに見えてしょうがないんですけど。サタデーナイトライブでの彼を見たくてたまらないせいでしょうか。
日本公開はさて?

・Bewitched
http://www.sonypictures.com/movies/bewitched/site/
「奥様は魔女」のリメイク版。ダーリンがウィル!ウィルがダーリン!サムはニコール・キッドマン。
これはヒットの確率高し。
そうしたら波及効果で

コレ("Anchorman-The Legend of Ron Burgundy-")
http://www.anchorman-themovie.com/dvd_features_anchorman.htm
とか
コレ!("ELF"=エルフに育てられた人間がニューヨークで大騒動。curse wordは"Nutcracker")
http://www.elfmovie.com/

をやってくれないかなぁ劇場で!無理?じゃせめてレンタルで〜。
密かに期待しております。

そんな夢膨らむ5月の幕開け。

他にも色々あるよ。アイテムレビュー↑は
「スーパースター 爆笑スター誕生計画」という作品。
これもSNLから飛び出した企画らしいです。

あまりにも芸達者なのでおじさんかと思いきや意外と若い。
40代後半かと思ってた。ゴメンよ。

1969

2005年4月27日 アメリカもの
更にキーファー。

●1969
1969(1989)←数字ばっかり…ややこしい

〈あらすじが若かった頃…〉
1969年。ベトナム戦争が影を落とす中で青春を送る二人の青年。彼らの焦燥と逃避、やがて現実を見つめるまでを当時のヒットソングに乗せて淡々と綴る。

・若かりし頃のキーファーを見てキャーキャー言いたかったので、その目的は十分に達成されました。満足です。なのでその点のコメントは控えますが、かなりキャーキャーものですよコレは。キャー。

・しかしそれ以上に意外な衝撃があった。
それはロバート・ダウニーJr氏。なんて、なんて美しい目をした青年なんでしょう…。
……。と、ついつい思索にふけってしまうくらい。
それは例えこの世の三大みっともないスタイルのうちの一つ、『パンいちに靴、素肌にネクタイ』(そいういうシーンがあるんです)であったとしても印象は揺るがず、瞳の深さに引き込まれてしまうのであった。何者?!
彼自身映画のような人生を歩んでるようですが、ネットで見た近影もなかなか魅力的なのでこれはチェックせねば。キーファー追ってたら思わぬ出会い。ありがとう!(←ラスカルに出会ったスターリング少年の気持ち)

・スコット(=キーファー)は「ボク達は自由な葉っぱだよ、ウフフ」なんて大学生にもなってそれで大丈夫かと思っちゃう人なんですが、自由に対して無邪気な希望があった時代だからか浮いてない。親の戸惑いも子の無関心もやがては反戦に結びついていき…はいいのですが、しかしちょっと気になったのは「WW2はグッドウォーだったからいいけど、ベトナムはダメだ」みたいなセリフが。グッドウォーて何だ?と思ったり。日本人とは帳尻の合わせ方が違うのは当然ですけどね…。

・ラストはちょっと盛り上がりすぎなような気もしましたが、(大勢いると思われる)1969年に思い入れのある人たちから見れば、あの時代に分かち合った空気感に対する愛おしみみたいなものかな。青春は遙かなり。

・音楽の使い方が絶妙にうまい。8割方それで成功してます。
あとは主役の二人ですね!実生活でも友人だったらしく素に近いようなナチュラルさでした。
これ見たい。ウディ・アレンの新作。

「さよなら、さよならハリウッド」
http://www.nikkatsu.com/movie/sayonara/
HPもおしゃれ。

特別鑑賞券にはアレン型(似顔絵?)メモ帳が付いてたりするみたいです。
いいなー!欲しい!眉毛をもっとハの字にしてやろう。

この地まで辿り着け!えぃ!と念力を送っても無理か…。
「サイドウェイ」もまったく来る気配がないしねぇ。
ピノ・ノワール用意して待ってたのに…。飲んじゃった…。
いつまでーもハウルを上映してないで、その枠をちょっと分けてくれー。
リージョンに屈してモジモジしている間に日本版も発売されることになりヨシ買い!と思っていた矢先、レンタル屋に行ったら新作コーナーに何気にポツンと置いてあるじゃないか。
どうせ買うんだし…と思ったけど抗えず借りた。

オモロイ!

いつ見てもアホらしいのが素晴らしい。
ジェリーのコメンタリー、テンション低め。制作者目線にプロ魂を感じる。仰るとおり始めの頃はテンポがスローモーで、のどかなムードですねぇ。
あと豆知識スーパーは、それこそヒヨコ豆が目からぽろぽろ落ちるような感覚、とてもためになります。スバラシイ。(しかし知ったからといってひけらかす場がない)
ジョージ役にスティーブ・ブシェーミも候補だったというのはほんとなんでしょうか。そんなジョージも見てみたいが…なんというか想像し難い。

日本で放映していた以外のシーズン発売はなさそう。う〜ん残念。
やっぱり米版か。リージョンの問題をなんとか解決しないと…。振り出しに戻る。うう。

素朴な疑問。なんで邦題が『となりの』サインフェルドなんだろ。
あなたのとなりにいそうなぐらい身近な人たちですよ、ってことだろうか…。

まずいないと思うけどこんな人たち。
むむ。いつまで経っても15秒バージョンCMしか見られない。
そして見れば見るほど無理矢理食べさせられているように見えるジャック。
犯人側からの指示で仕方なく…これもキムのため、みたいなストーリー展開なのか。

シーズン3観了。感想です。

【ひじょーにネタバレ!】





色々思ったことを順不同にリスト……

1)マイ・ライフ・アズ『シャペル』…。
ひど。
こんなの酷すぎる!と最高に画面の前でのたうちまわったのがコレ。
シャペルの人生って一体…。「はい消えた〜」な仕打ち。笑けるぐらいひとりぼっち。
ジャックー。よージャックよぅー。
ジャックの口がドロンパ(への字口)になるともう誰も止められないのだった。
最後のシーンなんて奥目の八ちゃん(知らなくてもいいです)みたいになってたよシャペル。

そんで暗い気分で音声コメンタリーを聞いてみれば
「いい顔になったら殺されちゃうのよね!ギャハハ!」(レイコ=ミシェル}
「ワハハハ!」(カルロス=トニー)
の弾けた爆笑に更にショック倍増。

でもそんな二人がますます好きになりました。
武闘派ミシェルはかっこいいしね!

2)そんなこんなで死体が瓦礫の山なS3。
よーくーもー。
よくも殺ってくれたなー○○○(念のため伏せる)を。
結局彼女のバックグラウンドはうやむや。
思いつかなかったんだね、思いつかなかったんだね!?
それと○○○ー。
呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン♪→ズドン!だなんて。いい仕事(?)したのにぃ。
シーズンを重ねるごとに好きになっていったキャラなので、もっと悪事を働いて欲しかった。惜しい!
前半の悪キャラはあっさり消える運命だけど、魔性の男ジャックに翻弄されるサラザール兄弟も哀れ。しっかりしろラモーン。ドカーン…。
シーズン15ぐらいまで続けばクラウディアの弟が敵役としてジャックを狙うかも知れない。

3)鏡の国のジャック。
向かうところ敵なし!ジャックの敵はもうジャックしかいない。
という見方からすれば、今回の黒幕の設定は最適。同じ陰惨な過去を持つエージェント、向こうの手の内を読み合う息詰まる心理戦…なんかを期待したのですが、この二人の最大の共通点は、実は娘に弱いという非常に世間的なことだったというのがなんとも24的。
もっと余裕のある黒幕でいて欲しかったよー。

というのは、
もっとジャック自身が追い詰められないと!甘いよ追い詰め方がー!
次々に切られる最悪のカードは一般に対する恐怖であって、ジャックはその阻止に必死。それが24の本筋といやそーなんだけど、ピンチに陥る彼自身が見たい(拷問シーンはもういいですが)。自分のこととなると急にドロンパどころじゃなくなるウロタエぶりが面白いもん。
イケイケドンドンなのに身辺が絡むとオタオタするジャックが好き。…フフ。

他にも色々あった。
突然キレたトニーに図星をさされてキレ返すジャックとか。いいぞトニーもっと怒鳴れ。外では大きな声を出してもいいんだ。
MI6とか。いくらロス支店とはいえ「ナントカ生命ビル」みたいなとこにオフィスがあるの?
実際そうだとしてもちょっと寂しい。MI6といえば美形の宝庫でしょロン毛のスナイパーとか美少年とか(漫画の影響です)。

今回の話はあえて物語の始まりからなぞるのはやめておこう、と自己防衛本能が働くほどの無理な展開が如実でしたが結局、

4)しゃくり上げるキーファー(←ここら辺ジャックと混同)

ですべてチャラに。よしよし。飴食べるかい?
ファンとは甘いものよのぅ。

終わってみれば
『ドゥ・イット・ニャーーーーウ!!!
というジャック定番のセリフが頭をこだまするばかり。

フー面白かった。

さてS4日本上陸まで耳(と目)に蓋して待ってられるかな?

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